核兵器からの防護を目的としたシェルター。
通常は一般市民の退避用途のものを指す。核兵器の直撃にも耐えうるような軍事施設はこう呼ばないことが多い。
冷戦下、民間防衛努力の一環として発達。また、国民皆兵の永世武装中立を国是とするスイスのような国でも整備が進められていた。
基本的には核兵器の被害のうち、残留放射線への対応を主眼とする。核兵器の使用によって発生する放射性降下物質(いわゆる死の灰)のうち、危険な放射線源は半減期が長くても数日程度であるため、ひとまずの目安として二週間程度の退避生活を過ごせるようになっている。
食料や飲料水は内部に備蓄されているが、呼吸用の空気だけはそういうわけにもいかないので、大気をフィルターで濾過して取り込むことになっている*1。
地下鉄などの大規模地下公共施設を転用する他、個人住宅内に設置されるものもある。
*1:放射性の塵を取り除き、空気だけを取り込む。厳密に言えば核爆発によって空気自体が放射化しないわけではないが、たとえば窒素16の半減期は7秒間に過ぎず、ほぼ無視できる