名前はまだ無い。と書けば、小説における猫の一人語り。「まだ無い」というのは、「これから名乗る」という未来志向で希望に満ちている。 が、今回訪れた喫茶店はもう無い。そして、かつてあったであろう店名も、今や不明。わからない。名前はもう無い。 国道157号線沿い、北鉄バス泉一丁目停留所を目の前にして、その、もう無い喫茶店はある。 しっかり図書館などに出張って旧住宅地図で確認するのが、真っ当な手順であるが、その辺りをざっくりとねぐるいつもの手抜き考証で、googleストリートビューを遡ってみたが、確認出来るもっとも古い2012年10月時点の画像で、既にして店名を認められる看板の類いは撤去されている。 …