これまで当然のように「オートマトン」と言う言葉を使ってきました。元々は自動人形、日本で言うと江戸時代に流行った「からくり人形」*1を指していました。それを計算機科学者がちゃっかりいただいて、今の状態と入力から次の状態(と出力)が決まる抽象的カラクリの名称にました。「有限」はあらかじめ有限種類の状態が決まっている型をいいます。それ以外に容量に制限のない外部記憶も状態として使える型があり、記憶の量やアクセス方法によって「線形有界オートマトン」「プッシュダウンオートマトン」などがあります。ここでは有限状態しかない有限オートマトンを扱います。前回のセルラーオートマタは有限オートマトンが並んだものです。…