『彼女のことを知っている』黒川創著を読む。 主人公は現在作家。50代になったいま、自身の恋愛体験や性について振り返る。父親として娘に赤裸々に語りたいのだが。1970年代から2020年代までの連作集。 『彼女のことを知っている』ライターだった「私」に突然、映画プロデューサーから脚本を依頼される。原稿料は100万円。手付で50万円渡すと。経験はなかったが、なんとか原案を脚本にしようとするのだが。カンヅメになって脚本を書いていると、ふと子どもの頃、70年代の京都を思い出す。「ロシナンテ」というヒッピーたちが経営していた喫茶店。べ兵連(ベトナムに平和を!市民連合)に参加していた父親が喫茶店の経営にも協…