幼い頃から、少し醒めているというか、子供らしくない部分が多いと自覚していた。幼稚園でも、子供らしいいたずらではなく、言葉尻をとらえて先生を困らせたり、理詰めで友達をやり込めたりと、そんな大人びた嫌な子供だった。 小学生になるころには、もう自分は両親よりも賢いと思っていた。ただ、父親はほとんど家にいなかったからか、母親に対しては「学の無い人だな。」とは思っていながらも、何か大切にしなきゃダメという感覚があった。 自分では賢いとか大人びていると思っていたとはいえ、所詮、子供は子供である。今から書いていく話は、私が小学1年生の時に「すごろくを作った」話である。自分では感情を伴う最も古い記憶である。幼…