◆ 魔王を倒した“その後”に描かれる、本当の物語 『葬送のフリーレン』は、“終わった物語の続きを描く”という異色のファンタジー。そこにあるのは、壮絶な戦いではなく、失われた時間と、それを埋めるように歩く旅だった。 主人公のフリーレンは、1000年以上生きるエルフ。彼女が人間の仲間たちと過ごした時間は、ほんのわずかな「旅路」だった――そう思っていた。 けれど、ヒンメルの死を前にして、フリーレンは初めて後悔する。 「私は…君のことを何も知らなかった」 この言葉は、すべての人に問いかけてくる。 ◆ 名場面①「もっと、知ろうとしていれば…」 フリーレンとヒンメルの関係は、たしかに“近くて遠い”距離だっ…