ここでは、「1893年シカゴ万国宗教会議における日本仏教代表 釈宗演の演説 ―「近代仏教」伝播の観点から」(那須理香『日本語・日本学研究vol.5』東京外語大学国際日本研究センター 2015年)と、『森のバロック』(中沢新一 せりか書房 1992年)を基に、釈宗演師の演説内容について述べて行きます。 シカゴ万国宗教会議は世界の四十一の宗教からおよそ二百十名の代表者が参加し、数千人の聴衆の前でその義を説くものでした。 釈宗演師の演説(委員長バローズの代読)の内容は「仏教の要旨並びに因果法」というものです(鈴木大拙氏の英訳では ‘The Law of Cause and Effect, as Ta…