大冊である。 平成の30年間を振り返る通史なのだが。 終盤に近づくにつれメランコリックになっていき とはいえ、(著者の病気その他の体験を通して)最終的には 半ば開き直入りのような諦念というのか希望というのか。 これだけでは補助線が足りない気がして 斎藤環との対話本『心を病んだらいけないの?』を読み進め なんとなく様子が知れたところで同じ著者の『知性は死なない』を手にしている。 この著者は、平成の後半(とはいえ、それほどの終盤ではなかった気もするが) の年末に、若者の討論番組で”ちょっと上の世代”的な立ち位置で出演した のを見かけたのがはじめだと思う。 学者という知的活動が生活の大部分を占める職…