Key words:コブシ,マグノリア 宮沢賢治に『マグノリアの木』(1923年)という短編の作品がある。仏教の教えに基づいて書いたものとされている。その内容は,諒安(りょうあん)という人(お坊さん?)が霧のかかった険しい山谷を歩いていて,やっと平らな所にたどり着いたとき霧が晴れた。振り返ってみると,今たどって来た山谷のいちめんに真っ白な「マグノリアの木」の花が咲いていたというものである。この平らな所というのは,仏教でいう「さとり」の境地ということらしい。 しかし,「マグノリアの木」とはあまり聞きなれない名である。いったいどんな木なのだろうか。 植物図鑑を調べても記載されていない。多分,「マグ…