5 ヴェサリウスの解剖学・ハーヴィの生理学が影響を与え、デカルトの機械論的生命観が確立 ③ハーヴィの血液循環論と機械論的生命観 4で、1543年、医師ヴェサリウスが解剖書『ファブリカ』を出版したことを述べましたが、その後の1628年、ハーヴィ(1578年生 イギリス)は血液循環論を解剖学と数量化(註)を用いて立証しました。 これによって人体と生命に対する神秘的な見方は影を潜め、世俗の人間が人体を科学的探求の対象、すなわち機械・物質としての取扱いをするという態度が鮮明になったのです。 (註)ハーヴィは心臓の容量と全身血液量を計り、一回の拍動でどのくらいの血液が押し出されるかを調べ、時間の推移によ…