今回は、機械論的世界観の基となった、物と心の分離についてです。中心となる引用文に出てくる、科学A=近代以前の科学、科学B=近代科学という言葉が少しわかりにくいので解説しておきます。 科学A=近代以前の科学というのは、キリスト教神学を基に森羅万象を観察し、神の意図やはたらきを理解するということです。西洋では、近代科学が始まる以前にも、神の創造物である自然を観察するという客観的な視点が、発達していました。これは自然哲学とも言いますが、科学のひとつなのです。 そしてキリスト教世界では、神の愛とはたらきが世界と自分とのつながりであり、すべての存在に意味を与えていると考えられていました。 その後、「神」…