輪島は若い頃から何度も行った。漆芸と木工に興味があったから。 その興味の発端は中学一年の時だったと思うが、自宅トイレに三井生命のカレンダーが掛かっていた。そのカレンダーの絵柄に、螺鈿細工の綺麗な漆器があった。当時、螺鈿とはナニか?そんなコトなど分からない子供だったが、百科事典を引っ張り出して調べてみた。 良く理解出来なかったが、漆というモノが天然の樹脂であり、古くから塗装や接着に用いられているコトは分かった。そして螺鈿というのは、貝殻を漆で貼り付けて模様を作り出しているらしいと理解した。 これ以上の理解は、中学生としては実感が伴わないのでフニャフニャな知識に留まった。だが、カレンダーという印刷…