実家の母から電話があった。 高齢なので電話があるたびにドキッとする。 しかし今回は、幸いそのあたりの話ではなかった。 本棚 実家の本棚に文学全集があるのだが、いつからあるかわからない、そして何十年も取り出して読まれた形跡のないこの本を捨てようと思うのだが構わないかという内容であった。 確かにいつ・誰が買ったのか私も不思議に思っていた。 私も記憶にないようなものを捨てるのに私の了解がいるのかとも思ったが、わたしの一存で捨てることを了解した。 吉川英治や江戸川乱歩、大佛次郎に直木三十五といった昭和初期の大衆文学を支えた作家たちの本が60巻もある。 いくつかは読んだ記憶があるが、当時はあまり面白く感…