関口良雄著「昔日の客」のなかに「自画像」という好きな詩がある。 全文引用するのはためらわれるので、かいつまんで説明すると太ったりやせたり、髪が伸びたり短くなったり、気が長くなったり短くなったりしてきた。そして同じように、先が長いと思ってきた人生だが、短く感じてきている。というもの。(かいつまんだことで魅力が激減しまったので、機会があればぜひ読んでみてほしい) 今日は、忘れていたこの詩を思い出した日を、物語調に話していく。 昔日の客 作者:関口良雄 夏葉社 Amazon ーー*ーーー*ーーー*ーーー*ーー 急に寒くなってきたねとマフラーをぐるぐる巻きにして外に出た朝、繰り出したのは西荻窪だった。…