法然上人のことば。(黒谷上人語燈録15 禅勝房伝説の詞より引用させて頂きます)一(ひとつ)。現世をすぐべきようは、念仏の申されんようにすぐべし。念仏のさまたげになりぬべくば、なになりともよろづをいといすてて、これをとどむべし。いはく、ひじりで申されずば、妻を設けて申すべし。妻を設けて申されずば、ひじりにて申すべし。住所にて申されずば、流行(るぎょう)して申すべし。流行して申されずば、家にゐて申すべし。自力の衣食にて申されずば、他人に助けられて申すべし。他人にたすけられて申されずば、自力の衣食にて申すべし。一人して申されずば、同朋とともに申すべし。共行(くぎょう)して申されずば、一人籠りゐて申す…