『悪徳の輪舞曲』(中山七里,講談社,2019年12月1日)を読了。 「何事も非難する輩だけではない。道理の分かった者もいる。ただ道理の分かった者は大声を上げることがないので目立たないだけだ」 「声を上げなかったらいないも同然じゃないですか」(114 ページ) 声を上げなければ,何も変わらない。 確かに年を経れば経験も積むだろうが,だからといって誰もが観察力を養ったり,老人らしい賢明さを獲得したりするとは限らない。中には愚鈍さや浅ましさ,欲深さ愚かさのみを濃縮させる老人だっている。(127 ページ) 愚鈍さ,浅ましさ,欲深さ,愚かさを濃縮させた老人は,何人も思い浮かぶ。 人間ちゅうのは実に弱い者…