『新進研究者 Research Notes』(第5号)に「表出性と創造性:表出説を改良する」が掲載されました。 この論文について、要旨、問題意識、あとがきを記してみます。 要旨と問題意識 本文中の要旨が英語表記のため、日本語版をこちらに掲載します。 分析美学では、表出性の表出説はよく知られているが、不人気である。というのも、幾度となく指摘されてきたように、表出説には致命的な反例がありふれているのだ。本稿は表出説を直接擁護する代わりに、R. G. Collingwoodの理論に基づいて表出説を弱め、改良する。通説に反して、Collingwood自身は表出性の表出説を提唱したわけではないが、彼の表…