愚かなプライド

入学式を終えた新入騎士候補生たちは、そのまま講義室に移動。授業を受けることになった。授業といっても、その中身は剣術でも戦術講義でもなく、帝国建国の歴史。さらにいえば、初代皇帝アルカス一世の偉大さが語られるもの。入学式の延長、は言い過ぎだが、儀式のようなものだ。 「アルカス一世帝を皇帝ならしめたのは、守護神の加護だけではない。アルカス一世帝には功臣たちにはない特別な力があった」 ただ強くなる為に騎士養成学校に入学してきた騎士候補生にとっては退屈な内容だ。だからこそ、こういう授業が行われる。帝国に対する忠誠心を育てることも騎士養成学校の目的なのだ。近年はほとんど目的は果たされていないとしても。 「…

XVII. 私を探してここで言われていることすべてを注意深く研究し、私を垣間見たと思っているが、まだ確信が持てないあなたは、近づいて、今私が言わなければならないことに魂を込めて耳を傾けてください。 静かにして！ — そして知れ、 — 私は — 神です。 もしあなたが「静かにする」ことを学んだなら、自分の内なる神としてのこの「私」を研究し瞑想したなら、それを個人的な私と区別することができ、いわば自分の個性の外に出て人間としての自己をありのままに見ることができるときに意識しているなら、そのすべてのつまらない欠点と弱さ、その卑劣な利己主義、その動物的な食欲と情熱、その幼稚な欲望と愚かなプライドと虚栄…