笑犬楼vs.偽伯爵作者:筒井康隆,蓮實重彦新潮社Amazon 主に筒井康隆の近著という理由で手に取った。 蓮實重彦のことはあまりよく知らなかった。 どちらかというと、堅苦しい文章で小難しいことを言うめんどくさそうな年長の批評家、というイメージだった。 自分の中での分類としては柄谷行人などと同じ「箱」に入ってる、というか。実際はだいぶ遠いんだろうけど。 『伯爵夫人』の受賞会見でのアレコレもそんなイメージを補強した感がある。 対談や往復書簡のパートでは、大江健三郎の話題が半分くらいを占めている。 本書そのものが、著者二人の大江健三郎へ当てたファンレター、という印象すらある。 しかし自分は大江健三郎…