連城三紀彦『戻り川心中』 今日は読書の話題でミステリー編です。連城三紀彦の『戻り川心中』。 連城三紀彦の初期の傑作として有名な短編集とのことで、一度読みたいと思っていた。表題の『戻り川心中』を含めて5編の作品が収録されている。他の4編には題名に花の名前が入っており、『戻り川心中』も花菖蒲が大きなカギを握るものとして登場する。文庫本の解説を読んで、これらの作品が「花葬シリーズ」と呼ばれる連作の一つであることを知った。 50~60ページくらいのそれほど長くない作品ばかりだが、美しい比喩をたっぷりと用いた情緒に溢れる文体で、中身の濃い読書体験をしたという気分に誘われる作品集だった。話の舞台は明治から…