ボクシングや総合格闘技などといった、いわゆる打撃が頻発する戦闘系競技の世界に見られる概念で、文字通り、「打たれ」ることに対する「強さ」(耐性)の指標。殴打に対する「受身力」あるいは「持ち堪え力」(KOされない力)を想定して言う場合が圧倒的に多い。
英語では「チン」(chin―アゴ)がこれに相当する概念で、打たれ強さのことを“タフ・チン”(tough chin―堅いアゴ)あるいは“ストロング・チン”(strong chin―強いアゴ)などと表現する。「打たれ弱さ」については“グラス・チン”(glass chin―ガラスのアゴ)などと表現する。
「打たれ強い」と言われる人物は各方面に多く存在するものの、それら高度な打たれ強さを持つ人物の中でも究極レベルと言われるのが、ボクシングにおけるデビッド・トゥア、そして総合格闘技におけるマーク・ハントと藤田和之である。ボクシングにおいてはジェイク・ラモッタやリブラード・アンドラーデ、総合格闘技においては“キャベージ”ことウェスリー・コレイラ、ならびにダン・ヘンダーソンやアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラがそれらに次ぐレベルであると言われている。*1