僕は高学歴な人を見ると無条件で身構えてしまう癖があった。正確に言うとそれは今も抜けきってはいないのだが、最近ようやく、意識的に気にならなくなってきている。 大学生の頃はそこそこに愚かな人間であり、例えば広島大学・九州大学の同期と交流があったのだが、そいつらの頭脳がどれほど優れているか、そのときは知らなかった。 彼らが優秀で、そこと比較すれば自分がそうでもないというギャップを自覚したのは、その辺と強く向き合う必要がある塾講師の仕事に就いて以来だ。 同期でこそあるが、僕らは”対等”ではない。その辺を勝手に忖度して、勝手に気を遣うようになり、勝手に萎縮するようになったのは、20代後半に入ってからだっ…