訓読 >>> 1767豊国(とよくに)の香春(かはる)は我家(わぎへ)紐児(ひものこ)にいつがり居(を)れば香春(かはる)は我家(わぎへ) 1768石上(いそのかみ)布留(ふる)の早稲田(わさだ)の穂(ほ)には出(い)でず心のうちに恋ふるこのころ 1769かくのみし恋ひし渡(わた)ればたまきはる命(いのち)も我(あ)れは惜(を)しけくもなし 要旨 >>> 〈1767〉豊国の香春のこの里は私の家だ、紐の児と結ばれているのだから、香春は我が家のようなものだ。 〈1768〉石上の近くにある布留の里の早稲田ではないが、穂にも出さず、ひそかに心の中でずっと恋い焦がれているこの頃だ。 〈1769〉これほど…