訓読 >>> 2992玉たすき懸(か)けねば苦し懸けたれば継(つ)ぎて見まくの欲しき君かも 2993紫のまだらのかづら花やかに今日(けふ)見し人に後(のち)恋ひむかも 2994玉縵(たまかづら)懸(か)けぬ時なく恋ふれども何しか妹(いも)に逢ふ時もなき 要旨 >>> 〈2992〉声をかけねば苦しくてたまらない。声をかけたらかけたで続けて逢いたくなるあなたです。 〈2993〉紫色にまだらに染めた縵(かずら)のように花やかに、今日見かけたあの人に、後になって恋い焦がれるだろうな。 〈2994〉心に懸けて思わない時はなく恋い焦がれているけれど、どうしてあの子に逢う時もないのだろうか。 鑑賞 >>> …