訓読 >>> 1347君に似(に)る草と見しより我(わ)が標(し)めし野山の浅茅(あさぢ)人な刈りそね 1348三島江(みしまえ)の玉江(たまえ)の薦(こも)を標(し)めしより己(おの)がとぞ思ふ未(いま)だ刈らねど 要旨 >>> 〈1347〉あなたに似ている草と知ってから、私が標縄を張った野山のあの浅茅を、どうか誰も刈り取らないで下さい。 〈1348〉三島江の薦にしるしをしてからは、私のものだと思っている。まだ刈り取ってはいないけれど。 鑑賞 >>> 「草に寄する」歌。1347の「君に似る草」は、第4句の「浅茅」を男性に見立てての表現。「我が標めし」は、自分の物と決めたことの譬え。「浅茅」は…