訓読 >>> 3208久(ひさ)にあらむ君を思ふにひさかたの清き月夜(つくよ)も闇(やみ)のみに見ゆ 3209春日(かすが)なる御笠(みかさ)の山に居(ゐ)る雲を出(い)で見るごとに君をしぞ思ふ 3210あしひきの片山雉(かたやまきざし)立ち行かむ君に後(おく)れてうつしけめやも 要旨 >>> 〈3208〉旅に出て当分帰れそうもないあなたのことを思うと、この清らかな月の夜も、まるで闇夜を見ているようです。 〈3209〉春日野の御笠の山にかかっている雲。その雲を門に出て見るたびに、旅先のあなたのことが思われてなりません。 〈3210〉片山に棲む雉が、不意に飛び立っていったかのようにあなたに旅立た…