さて、ついこの間までお布団の中にいなければ震えて凍える寒さだったはずなのだが……。 知らない間に春が訪れていたようで、あんなに甲斐甲斐しく付き従っていたお布団を寝ている間にベッドの下へと突き落としてしまっていた。 まあ、許せ。 それはそうと、いつの間にか、春なのだ。 だけれど、急に春になったような気がするあたり、私はいつの間にか冬眠していたのかもしれない。 草花の息吹を感じる季節であるが、当然、見目麗しいもののみが目覚めるわけではない。 当然、虫さん達も蠢く季節になる。 ちなみに、この『蠢』という字をよく見てほしい。 春の下に虫が二匹いるではないか。 一匹のみならず二匹もいるのだ。 漢字的側面…