問題 Lundbergモデルにおいて、期首サープラスは、クレーム件数は平均のポアソン分布、個々のクレーム額の分布の確率密度関数はに従うとき、Lundbergの不等式は、期首サープラス、破産確率、調整係数を用いて下式のとおり表される。また、期間]で受け取る収入保険料総額は、当該期間でのクレーム累計額の期待値に安全割増率を考慮したにて表されることとする。のとき、Lundbergの不等式を用いて保険会社にとって最も保守的に評価した破産確率をまで許容することとした場合、必要な安全割増率を求めよ。 ガンマ分布の期待値、積率母関数のとき、 調整係数が満たす方程式(クレーム総額が複合ポアソン分布に従うとき)…
クレーム総額の分布関数の計算のより一般的な方法として、ガンマ分布に近似させる方法があります。 を、パラメータを持つガンマ分布の分布関数としましょう。 ここで、このガンマ分布をだけ正の方向に移動させた分布関数を考え、これを移動ガンマ分布と言います。 クレーム総額を移動ガンマ分布で近似するとき、,が移動ガンマ分布の期待値、分散、3次積率と等しいとして近似します。 公式としてまとめると次の通りとなります。 移動ガンマ分布近似
一定期間内に発生するクレーム件数を確率変数、そのうち、番目のクレームのクレーム額を確率変数と表すと、一定期間内のクレーム総額を表す確率変数は、 となります。このとき、の期待値、分散、積率母関数はどのようになるでしょうか。 話を簡単にするために、以下のような仮定を置きましょう。 ① は、同一の分布に従う。 ② は、互いに独立である。 それでは、期待値を求めてみましょう。以下の公式を使います。 期待値と条件付き期待値の関係 これより、 ただし、2つ目の等号では、仮定を利用して式変形をしています。 次に、分散を求めてみましょう。以下の公式を使います。 分散と条件付き分散の関係 これより、 ただし、2…
損害保険では、損害の一部を被保険者に自己負担させる引き受けがよく行われます。今回はその中で、エクセス方式について説明します。 エクセス方式では、免責金額(エクセスポイント)と支払限度額(カバーリミット)を設定します。 これは、クレーム額が免責金額以下だと保険金が支払われず、クレーム額が免責金額より大きくなると、支払限度額を上限に保険金が支払われることを意味します。 式に表すと次の通りです。 クレーム額をとする。 のとき、 保険金支払額なし のとき、保険金支払額 のとき、 保険金支払額 例えば、免責金額億円、支払限度額億円のとき、 クレーム額が億円のとき、保険金は支払われません。 クレーム額が億…