放蕩とは 山梨県の名物料理の名前でもあるが語源としてはぜんぜん異なるようだ。辞書によると放蕩とは「酒色にふけって品行がおさまらないこと。酒や女におぼれること」とある。まさにこの本の内容で主人公で作家の海堂が全編を通して行うことだ。全然関係ないが私が放蕩と言われて思い出すのはこれまでの半生での自らの行状のことではなく、古文で習った「放蕩息子の帰還」というお話だ。ある商家に仕事を全然覚えないで遊んでばかりいたニ代目が、福岡の知り合いの店に奉公に出される。鉄砲玉のように江戸から福岡に行ったっきりなんの便りもよこさないので両親が呆れているところへ福岡の店から樽が届く。あのアホ息子も少しは家のことを思い…