熟柿 (角川書店単行本) 作者:佐藤 正午 KADOKAWA Amazon 「熟柿」佐藤正午 <所感> 激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは、轢き逃げの罪に問われ、裁判中に息子、拓を出産する。出所後息子に会いたいがあまり、園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。 ・・・という話。 かおりに救いがあってよかったと安堵感が読了後の率直な思い。 (亡くなった老婆には申し訳ないが百も承知の上で) 十字架を背負ってそれでも子どもを想って必死に生きる。 だか…