直木賞作家ではあるがぱっとせず、とある地方都市で送迎ドライバーをしている津田。親しくしていた古書店主の形見の鞄を受け取ったところ、中には数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千枚を超える一万円札が詰め込まれていた。 ところが、行きつけの理髪店で使った最初の一枚が偽札であったことが判明。このことには、街で起きる騒ぎに必ず関わる裏社会の『あのひと』も目を光らせているという……。 いやあ、おもしろすぎた。感想を語るのが難しいけど、なんとも奇妙な、今までにないタイプの読書体験だった。私が読んでいるこれは何なのか、創作なのか本当のことなのか。ずっと翻弄され続けて「なんじゃこら」って思いながら、気がつい…