本日初日。 席数118の【シアター3】の入りは四割ほど。 『柚月裕子』による原作は、文庫版では上下巻の長編。 それを120分尺に纏めているので、かなりの省略がある。 が、大胆な整理を施したことが、逆にテンポの良さを生んだ。 とりわけ事件の発端から容疑者に辿り着くまでの流れはリズミカル。とんとんとんと進み小気味良い。 その分、後半部での主人公の過去描写に多くの時間を割けるようになり、彼の背負って来た宿縁の重さが見事に立ち上がる。 諏訪湖畔の林野で身元不明の死体が発見された。 現場に残されていた希少な将棋の駒を手掛かりに警察は捜査を進める。 やがて線上に浮かんできたのは将棋界のホープ『上条桂介(坂…