「慈愛サル」か、それとも「自愛サル」か? 言葉遊びで見えてくる現実の縮図 ある日、サル山のボスが「ドングリの呼び名を変えます!」と宣言した。「これからは『皆の命を繋ぐ尊い実』と呼ぶことにする」と。そして、年寄りサルと赤子のサルにはより多くの実を分け与え、一方で働くサルには「もっと納めろ」と命じた。最初は15粒だった納入が、50粒、60粒へと増やされていく。 それでもボスは「これは尊い実だから、みんなで分かち合うのが当然」と慈愛のポーズを取るが、よく見るとボスの毛並みはツヤツヤになっていた。ドングリを拾いに行かないはずなのに、なぜか一番栄養状態がいい——。 この寓話、フィクションのはずなのに、読…