(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(29)圧倒的な食文化としてのアメリカ 占領期、子供だった人たちの思い出は、つねに空腹と結びついています。1947年日本橋兜町に生まれた山口果林は 「幼児期の思い出に、アメリカ兵の姿が色濃く焼き付いている。のちに姉から、証券取引所の立会場がGHQに接収されていたことを教えられて納得がいった。戦後生まれのわたしだが、物心ついたころも、アメリカ兵は身近な日常の一部だったのだ。アメリカ兵の制服と帽子、乗っていたジープ。お菓子も貰った」(山口果林『阿部公房とわたし』講談社、2013年、86p) 1943年長野に生まれた野上暁は 「小学三年生の時だ…