いまや小説も漫画も、スマホやパソコン画面で読めるそうだが、なんとも気に入らない。紙の本がいいに決まっている。俳優たちがテレビで「セリフは紙の台本でないと覚えられない」と口々に言っていた。そうだろうと思う。 まちの本屋が消えつつあるという。人類が営々と積み上げてきた活字文化が衰退するのではないか。社会の知的退行を招くのではないか。 先の「三屋清左衛門残日録」はもう10回くらい読んでいるが、まだ読み尽くせていないように思う。本屋に並ぶ文庫版の藤沢作品はすべて買って読んだ。その以前は池波正太郎や司馬遼太郎、ジェフリー・アーチャー等々。そのほとんどを2回以上は読んだと思う。20~30代のころは福永武彦…