◆朝日新聞の最近の読書ページ(毎週土曜日、全3面)はたいへん充実しています。今日も、斎藤美奈子の「旅する文学」から宮田朱己の「気になる雑誌を読んでみた」まで、それぞれの執筆者の批評眼が冴えわたっていました。 ◆斎藤美奈子の連載「旅する文学」は、すばらしい企画だと思います。「あとで単行本化されたら、充実した一冊になるだろうな」などと想像しながら、また授業のヒントさえ感じながら、毎回興味深く読んでいます(今日は秋田県の巻でした)。 ◆私は斎藤美奈子のよい読者ではありませんが、彼女は以前の文芸評論家とはかなり異なったタイプです。その批評に、日本的な湿っぽさやしかつめらしい深刻さは感じられません。作品…