(Newly Industrializing Economies、略称は「NIEs、ニーズ」)
開発途上国のうち、20世紀後半に急速な経済成長を果たした国・地域の総称。かつては新興工業国(Newly Industrializing Countries;NICs、ニクス)と呼ばれていた。
1979年の経済協力開発機構(OECD)レポートでは、韓国、台湾、香港、シンガポール、メキシコ、ブラジル、ギリシャ、ポルトガル、スペイン、ユーゴスラビアの10ヵ国・地域を指していた。
1979年にOECD(経済協力開発機構)が発表した報告書によって、当時の発展途上国のうち石油危機以降も工業製品輸出の急増を通じて経済成長した上記の10ヵ国・地域を取り上げ、「新興工業国(NICs)」と命名した。
1980年代になるとアジアNICs以外が低成長に転落し、アジアNICsは「4頭の虎・竜」などと注目を浴びるようになったが、台湾や香港の国際的地位の問題から、1988年のトロント・サミットにおいて、「NICs」から「NIEs」へと名称の変更がなされた。
1990年代になると、賃金上昇によるコストアップや、1997年のアジア金融危機などにより、アジアNIEsは産業構造改革を余儀なくされることとなった。