そこは黙示的戦区であった これが忘れかけていた珠玉のSF名編の始まりの文。なるほど時間もののSFは映画やアニメなどあらゆるコンテンツに登場するようになった。『君の名は。』のようなロマンチックな名編もいいだろう。 けれど、この『旅人の憩い』のように人生の深みが垣間見える作品もある。 本作品「戦士の憩い」と改題しても通るだろう。 時間線が極に向かうにつれ収束する異世界の男の人生の長く、そして短い一コマを描いている。 未知の敵と過酷な戦闘を繰り広げている前線から幸運にも解除となり任務から解放されたH。銃後の平和な家庭生活を築きあげた矢先、家族に別れを告げる猶予も与えられず同じ戦場に呼び戻される。それ…