「キングダム」という漫画がある。と言っても読んだことはないのだが、とてもよく売れているそうな。その「キングダム」の作者が先日テレビ番組にて創作の裏側について語っていて、ある登場人物について「三国志では2行程度しか記載のない人物であるが、かえって創作意欲を刺激された」というようなことを言っていた。キャラクターの「余白」というのも大事なことなんだなと改めて感じた次第である。 ミステリ界でそんな「余白力」のあるキャラクターといえば、やはりシャーロック・ホームズシリーズで登場するアイリーン・アドラーだろう。登場した作品は「ボヘミアの醜聞」のみである(しかもその後まもなく亡くなっている)にも関わらず、数…