利谷信義「日本の法を考える」(東京大学出版会)を読み直しました。 この本は大学院時代の「法曹倫理」という授業の教科書というか、参考図書として指定されていたものです。初版が1985年ですから、私が赤ん坊の頃に出版されたものですが、今でもリーダブルだと思います。10年くらい前に「新版」も出版されたくらいですから。 この本で1番意外だったのは、明治時代の日本人の司法に関する意識です。現代日本では、裁判はなるべく避けるものという意識が浸透しているように思われますが、明治時代はバンバン裁判やる風潮があったそうです。今と制度が異なるので単純な比較はできませんが、自由民権運動の最盛期(明治15年頃)には民事…