舞踊 伊藤道郎 “音の流れ” 第一・第八短音詩 作曲・山田耕作 〔解説〕 人間が未知のものに、ぶッかつたとき、まづ何より音に恐怖を感ずるものだ。さて何だらうと人間は知りたくなる。その知りたいといふ氣持が起きたとき必ず知ることが出來るものだ。 また人間が惡をなしたとき、その惡を感じたらその刹那に、人は許されるものだ。 世間では、とかく自分の欠陥を無條件に罵倒し勝ちだが、しかし、過失を犯したる自分がその過失を悔いたときこそ、自分は一番力強くなるのだ。 かうした感じを、舞踊によつて表現しようとするのだ。 久野豊彦 名古屋の士族町で伊藤氏と私は百花咲き乱れる邸園でベースボールをやり、紅の矢で弓をひき、…