規範とされる日本語(標準語、国語)と現実の日本語の食い違いを否定的に捉えた語である。「変化」や「ゆらぎ」ともいう。
食い違いは現実の日本語が変化することでも規範が変化することでも生じうる。乱れは、なくなることもあれば定着することもあるが、その受容の過渡的段階で特に「誤用」などと盛んに取りざたされる。
古い時代の日本語は現代以上に激しく変化し続けてきたとし、昨今言われている日本語の乱れというのはやぼなことと考える意見もある。この立場からは「言葉は生き物」などと喩えられる。
尚、言葉の乱れとは、オーソドックスな言語学には無い概念である。科学(人文科学)の一分野である言語学では、物事に対して価値判断をしない。言語の実態と文法が一致しない場合、言語学では実態に合わせて文法を修正すべきだと考え、文法に合わせて実態を修正すべきだとは考えない。また、規範とされる文法については規範文法と呼んで区別し、その影響などは社会言語学などで研究の対象となる。このような中立の視点からは「文法的におかしい」のような表現は「規範的な日本語と異なる」ことに対する捉え方の一つと解釈する。