明六社 明治6年にできたから明六社という。 横文字の専門家のあつまりだからと言って、妙な片仮名を使わなかったのはよかった。 この明六社が出版した雑誌を『明六雑誌』という。 「社」が「雑誌」を「出版」する草分けである。旧四六判という小冊子の体裁も、新しかった。明六社じたいが西洋の学会に倣ったものだから、会誌もそれに準じた大きさなのである。 後続の雑誌はみなその新しさを真似した。 だから、明治の10年くらいまでの雑誌はこの旧四六判が多い。今の新書サイズより一回りほど大きいものになる。 また、明六社は、主宰した「演説会」で知られる。日本における講演会、演説会の、これも事はじめである。その初めの初めは…