昭和53年の11月、刑事法専攻のしゃれ者Oと、お茶を飲みながら話していた。 私「はやいなぁ、11月の末だよ。もうあと1ヶ月ほどで今年も終わりだぜ」 O「そうだけど、のりもぉ、1年が早いなんて言ってんのは、歳を取った証拠だろ」 私「なんで?」 O「時の感覚は年齢とともに早まるからさ」 私「うん、よく言うよなぁ・・・だけど、なんでだろ?」 O「これは、俗語だけどさ、『老人は過去を思い、若者は未来を思う』っていう言葉があるんだよな」 私「うん・・・それで?」 O「たとえば、お正月にお雑煮を食べるだろ。そのとき、50歳のおとなは50回餅を食べてるわけだよな。毎年毎年。ところが5歳のこどもは、意識して餅…