強肴 その五 「サイアクチュウ ノ サイゼン デ アッタ」 (白洲次郎) 戦中戦後のダンディーな暴れん坊、白洲次郎。なぜかAくんのお気に入りなのである。 お金持ちで官僚。この二つだけでも、充分に、Aくんの恰好の標的になりそうなものなのに、ナゼだろう。 あくまでも私の推測だが、もしかすると、相手を選ばないその自由闊達な口の悪さに、共感するモノがあるからなのかもしれない。 そんな白洲次郎のこの言葉、「最悪中の最善であった」は、GHQの戦後処理に対する彼なりの総括的な評価だ。 そして、この「最悪中の、最善」、Aくんが多用するコトバの一つでもある。 では、なぜ、この言葉が、私の中でも屈指の名言になり得…