有機農業の別名は「低投入持続的農業」である。有機農業の「有機」は、さまざまな生命との調和と共生を意味し、農家が採る手法、農の生産とくらしの過程を表している。個々の農の現場を認識する際の表現といってもよい。有機農家は自らの農を「有機農業」と呼ばれることには特に異論ないだろう。 低投入持続的農業は、有機農業の為す先、全人類の目的となるべきところを表し、第三者的な表現である。個々の農家は自分の農をそう呼ばれたら違和感を持つかもしれない。そんな大層なものではありません、自分の満足のためにやっているだけです、とかなんとか。だが、有機農家らの実践は、そのベクトルの先が確実に地球を救うことにつながっている。…