木下昌樹という作家は、知らんかったなあ。 私は、どちらかというと海外ミステリーとSF小説が守備範囲で、時代小説はあまり読んでいない。まあ、北方謙三の「水滸伝」全19巻は何度も読み返しているし、司馬遼太郎の「国盗り物語」の冒頭の文章はサイコーに格好いいと思っているが。 さて、この間、「書架の探偵」という本を探しに図書館に行ったのだが残念ながら貸出中で、その代わりに借りたのが木下昌樹の「戦国十二刻 女人阿修羅」である。女性を主人公にした短編集で、どれもよくできていた。 絶世の美女が「顔じゃなく自分を愛してくれるのだという証を見せてくれ」などと言った結果、自分の身に恐ろしい出来事が起こったり、武芸自…