カーペンターズ・ゴシック 作者:ウィリアム・ギャディス 国書刊行会 Amazon 『カーペンターズ・ゴシック』ウィリアム・ギャディス著 木原善彦訳を読む。 会話と地の文が一体化となった『JR』と同じスタイル。入れ替わり立ち替わり出て来る怪しげな人物がしゃべる、しゃべる。顔を突き合わせて、あるいは電話で。しかもそれぞれが一方的に。噛み合わない会話劇。はじめは面食らうが、途中から、この好き勝手な会話を楽しむようになっていたオレ。耳がダンボになっていた。 こんな感じの話。 元お嬢様のエリザベス。亡くなった父親は「大鉱山主」だった。彼女は、ポールと結婚した。経済的な理由(ポールの前妻への慰謝料などの支…