最も危険な食べ物、それはラーメン。 たくまずして仕掛けられた丼の中に眠る殺し屋。 それは突然に目を覚まし、偽りの平穏を打ち破る。 木曽は巨大な罠の谷。 そこかしこで、赤い信管をくわえたラーメンが目を覚ます。 全てを包んで煙る谷底に、己のランチを求めて、カヲルが彷徨う。 深い谷に踏み入ってもカヲルを待っていたのは、また地獄だった。 inakakaoru.hatenablog.com 人の運命を司るのは、旨味か、辛味か。 だが、カヲルの運命を変えたのは、地獄と呼ばれた、あのラーメン。 柏崎の海岸で走り抜けた戦慄が、今、木曽の谷に蘇る。 その店の名は、木曽町『ラーメン55』 地獄を見れば 心がかわく…