今年5月下旬、Phasma-Musicから、9月にリヴィウで初演する室内楽作品の募集があった。編成の中に木管五重奏もあったので、弦楽四重奏曲《双葉》を木管五重奏に改訂する事にした。これまで僕は木管五重奏曲を書いていないのが理由の一つ。また木管五重奏はディヴェルティメント風の楽観的な印象で、求心的で振幅の大きい曲があまり無いように思うので、《双葉》によって従来の木管五重奏から脱するものが出来れば、と思ったから。 弦楽四重奏が弦楽オーケストラのミニチュアなら、木管五重奏はウィンドオーケストラのミニチュア。モノトーンの弦楽四重奏曲に色付けする楽しさがある。一方、両者は全く異なる性格ゆえ、単に移し替え…